ADC NEWS

歯医者で、

「小さな虫歯がありますが、今は削らずに様子を見ましょう」

と言われて、

「虫歯なのに治療しなくて大丈夫なの?」

と不安になったことはありませんか?

実は現在の虫歯治療では、虫歯を見つけたらすべてすぐに削る、という考え方ではありません。

初期段階で歯に穴が開いていない虫歯(非う窩性う蝕)では、フッ化物の利用やプラークコントロール、食生活の改善などによって進行を抑えられる場合があります。

一方で、すでに歯に穴が開いている、象牙質まで進行している、清掃できない、短期間で進行しているなどの場合には、削って修復する治療が必要になることがあります。

つまり重要なのは、

「虫歯があるか・ないか」だけではなく、「その虫歯が現在進行しているのか」「削らずに管理できる状態なのか」を判断することです。

ありが歯科では「虫歯がある=すぐ削る」とは考えていません。

一度削った天然の歯は元に戻すことができないため、削らずに管理できる可能性がある虫歯は、状態を確認しながら経過観察することも大切な選択肢だと考えています。

一方で、進行している虫歯まで「削らないこと」にこだわるわけではありません。必要な治療は適切なタイミングで行い、できるだけ健康な歯質を残すことが、ありが歯科の虫歯治療の基本方針です。

この記事では、ホーチミンのありが歯科の日本人歯科医師が、削る虫歯・削らずに経過観察できる虫歯の違いを詳しく解説します。


結論|虫歯があっても必ず削るわけではありません

虫歯は大きく、

削らずに管理できる可能性がある虫歯と、
削って治療した方がよい虫歯

に分けて考えることができます。

状態考えられる対応
白く濁った程度の初期虫歯経過観察・フッ素・セルフケア
穴が開いていない虫歯非修復的治療を検討
進行が止まっている虫歯経過観察できる場合がある
歯と歯の間の初期虫歯X線などで進行を確認しながら管理
奥歯の溝の初期虫歯状態によりシーラントなどを検討
穴が開いて清掃できない虫歯修復治療を検討
象牙質へ進行している虫歯深さ・活動性・う窩の有無・清掃性・歯髄の状態などから修復治療の必要性を判断
痛み・神経症状がある虫歯歯髄の状態を含めて診断

重要なのは、見た目の大きさだけで決めないことです。

虫歯の深さ、穴の有無、活動性、レントゲン所見、清掃できるか、患者さん自身の虫歯リスクなどを総合して判断します。


そもそも虫歯は「できたら削る病気」ではありません

虫歯は、細菌が糖質を利用して酸を産生し、歯からカルシウムやリンなどのミネラルが失われることで進行する病気です。

このミネラルが歯から失われることを脱灰といいます。

しかし、お口の中では脱灰だけが起きているわけではありません。

唾液などの作用によって、失われたミネラルが歯へ戻る再石灰化も繰り返されています。

つまり歯の表面では、

脱灰 ⇄ 再石灰化

という変化が毎日繰り返されています。

脱灰が再石灰化を上回る状態が長く続けば虫歯が進行しますが、環境を改善することで初期病変の進行を止められる場合があります。

ADAのガイドラインでも、穴の開いていない虫歯に対して、病変部位に応じてフッ化物やシーラントなどの非修復的治療が推奨されています。Ada

フッ素と再石灰化によって虫歯を予防する仕組みはこちら


「様子を見ましょう」は「何もしない」という意味ではありません

ここは患者さんに最も知ってほしいところです。

歯医者で「様子を見ましょう」と言われると、

「放置するということ?」

と思われるかもしれません。

しかし、本来の経過観察は放置とは違います。

経過観察では虫歯が進行していないか確認します

定期検診で、

  • 表面の状態
  • 穴が開いていないか
  • プラークが溜まりやすくなっていないか
  • レントゲン上で病変が拡大していないか
  • 新しい虫歯が増えていないか

などを確認します。

つまり、

「今は削らない。しかし進行していないか定期的に確認する」

という治療方針です。


歯医者は「削る・削らない」を何で判断する?

単純に「C1だから削らない」「C2だから削る」とだけ判断するわけではありません。

特に重要なのが次のポイントです。

① 歯に穴が開いているか

重要な判断材料の一つがう窩(穴)の有無です。

表面がまだ保たれている非う窩性病変では、プラークコントロールやフッ化物などによって進行を抑えられる可能性があります。

一方、穴が開いて内部にプラークや食べ物が入り込み、患者さん自身では清掃できない状態になると、修復治療を検討する必要性が高くなります。

② 虫歯が「活動性」なのか

虫歯には、

現在進行している活動性病変と、
進行が停止している非活動性病変

があります。

そのため、

黒い=進行している虫歯

とは限りません。

反対に、大きな穴がなくても白く濁った病変が活動性を示している場合もあります。

色だけではなく、表面性状、プラークの付着、病変の位置なども含めて評価します。

③ 虫歯がどこまで深く進んでいるか

表面からは小さく見えても、内部で虫歯が広がっていることがあります。

特に歯と歯の間の虫歯は直接見えにくいため、必要に応じてレントゲン検査を行います。

ただし、レントゲンだけですべてを判断するわけではありません。

口腔内診査と画像所見を組み合わせて判断することが重要です。

④ 自分で清掃できる状態か

虫歯の進行を止めるには、病変部のプラークをコントロールできることが重要です。

同じ程度の病変でも、

歯ブラシが届く場所なのか
食べ物が毎回詰まるのか
フロスで清掃できるのか

などによって判断が変わることがあります。

⑤ その人自身の「虫歯リスク」

歯だけを見るのではなく、患者さん自身の虫歯リスクも考えます。

例えば、

  • 過去に虫歯が多い
  • 短期間に新しい虫歯ができている
  • 間食や糖分摂取が多い
  • フッ素を十分利用できていない
  • 唾液が少ない
  • プラークが多い

などがあれば、虫歯が進行するリスクは高くなります。

ADAも、虫歯管理では個々のリスク評価と患者ごとの状況を踏まえた臨床判断が重要としています。Ada


削らない虫歯はどうやって進行を止める?

「削らない=何もしない」ではありません。

フッ素を利用する

フッ化物には、脱灰を抑え、再石灰化を促す作用があります。

毎日のフッ素入り歯磨き剤に加えて、虫歯リスクや病変の状態によっては歯科医院でのフッ化物塗布などを検討します。

プラークをコントロールする

虫歯は歯だけの問題ではなく、歯の表面に形成されるバイオフィルムと食生活などが関係する疾患です。

そのため、毎日の歯磨きやフロスでプラークをコントロールすることが重要です。

食事の「量」だけでなく「回数」を見直す

甘いものを食べる量だけでなく、糖質を摂取する頻度も重要です。

少量でも頻繁に食べたり飲んだりすると、口腔内が酸性になる機会が増えます。

必要に応じてシーラントなどを検討する

奥歯の深い溝などでは、穴が開いていない初期虫歯に対してシーラントを検討する場合があります。

ADA・AAPDのガイドラインでも、臼歯咬合面の非う窩性病変に対するシーラントは、病変の進行を抑える選択肢として推奨されています。Ada

ありが歯科の虫歯予防・定期検診について


では、どんな虫歯は削る必要がある?

削らずに管理できる虫歯がある一方で、修復治療が必要になる虫歯もあります。

例えば、

歯に明らかな穴があり清掃できない
虫歯が進行している
象牙質へ深く進行している
食べ物が頻繁に詰まる
歯が欠けている
痛みなどの症状がある

といった場合です。

ただし、象牙質まで進んだら必ず一律に大きく削る、という意味でもありません。

2023年のADA修復治療ガイドラインでも、永久歯の中等度~進行した虫歯に対して、状況に応じて健全歯質をできるだけ保存する選択的なう蝕除去などが推奨されています。Ada

現在の虫歯治療では、

「虫歯を全部取ること」だけではなく、「できるだけ健康な歯質と歯髄を守ること」

も重要になっています。


虫歯を削ると歯は元には戻りません

一度削ったエナメル質や象牙質が、元の歯の形として再生するわけではありません。

修復物にも永久的なものはなく、将来的に交換が必要になる可能性があります。

だからこそ、ホーチミンのありが歯科では、

削らずに管理できる虫歯まで予防的に削るのではなく、歯の状態を確認しながら必要な治療を選択すること

を大切にしています。

一方で、必要な虫歯治療を先延ばしにすることも歯を守ることにはつながりません。

削らないこと自体が目的ではなく、必要以上に削らず、必要なタイミングでは適切に治療することが重要です。


虫歯を放置することと「経過観察」は違います

虫歯を放置する

診断を受けず、進行しているか確認せず、そのままにすること。

虫歯を経過観察する

歯科医師が病変の状態を評価したうえで、削らずに管理できると判断し、予防処置を行いながら定期的に変化を確認すること。

この2つはまったく違います。

特に歯と歯の間の虫歯では、外から見ても変化が分かりにくいため、必要に応じてレントゲンで経時的に確認することがあります。


「痛くないから削らなくていい」とも限りません

虫歯は初期段階では痛みがないことが一般的です。

そのため、

痛くない=進行していない

とは判断できません。

逆に、黒く見える部分があっても進行が停止している場合があります。

「痛いかどうか」や「黒いかどうか」だけではなく、歯科医院で病変の状態を確認することが大切です。

歯が痛い・しみる原因は虫歯だけではありません


神経に近い深い虫歯は「全部削る」ことが最善とは限りません

深い虫歯では、虫歯を完全に除去しようとすることで歯髄が露出する可能性があります。

そのため現在では、症例によっては歯髄を守る目的で、**深い部分のう蝕象牙質を選択的に残す「選択的う蝕除去」**を検討することがあります。

これは「虫歯を取り残した」という意味ではありません。

歯髄の状態や虫歯の深さなどを評価したうえで、歯の神経をできるだけ保存するために意図的に行う治療方法です。

ADAの2023年ガイドラインでも、永久歯の中等度・進行したう蝕病変では、完全除去よりも選択的なう蝕除去が優先される状況が示されています。Ada

できるだけ歯の神経を残すことが大切な理由


ありが歯科の虫歯治療|「できるだけ削らない、でも必要な治療は適切に」

ありが歯科では、**「できるだけ天然の歯を残すこと」**を虫歯治療で大切にしています。

そのため、黒い部分を見つけただけで、すぐに削る治療を決めるわけではありません。

まず口腔内を確認し、必要に応じてレントゲン検査を行い、

・虫歯の深さ
・歯に穴が開いているか
・現在進行している虫歯なのか
・自分で清掃できる状態か
・歯の神経までどのくらい距離があるか
・過去と比較して進行しているか
・患者さん自身の虫歯リスク

などを総合して判断します。

削らなくてよい可能性がある歯は、できるだけ削らない

初期段階で穴が開いておらず、清掃可能で、適切な予防管理によって進行を抑えられると判断した場合には、すぐに削らず経過を確認することがあります。

これは「治療をしない」のではなく、天然歯をできるだけ保存するための管理です。

治療が必要な虫歯は、必要以上に大きく削らない

一方、すでに穴が開いている、内部で進行している、清掃が困難など、修復治療が必要と判断した場合には治療を行います。

その場合も、ありが歯科では虫歯だから歯を大きく削るのではなく、可能な範囲で健康な歯質を保存することを意識しています。

深い虫歯では、歯の神経を守れる可能性があるかどうかも重要です。

「削らないこと」そのものが目的ではありません

ありが歯科が目指しているのは、単に「削らない歯医者」になることではありません。

進行している虫歯を治療せず放置すれば、結果として虫歯がさらに深くなり、神経の治療や抜歯が必要になる可能性があります。

そのため私たちは、

削る必要のない歯は削らない。
治療が必要な歯は適切なタイミングで治療する。
治療するときも、できるだけ天然の歯を残す。

という考え方を大切にしています。


まとめ|「様子を見ましょう」は歯を守るための選択肢です

虫歯は、見つけたらすべてすぐに削らなければならないわけではありません。

特に穴が開いていない初期虫歯では、フッ素、プラークコントロール、食生活の改善、シーラントなどによって進行を抑えながら経過観察できる場合があります。

一方で、穴が開いて清掃できない、進行している、深い病変があるなどの場合には修復治療が必要になることがあります。

重要なのは、

「削るか、削らないか」ではなく、「今、この歯を長く残すために何が必要か」を判断することです。

歯医者で「様子を見ましょう」と言われたときは、

「なぜ今は削らなくていいのか?」
「どのくらいの間隔で確認するのか?」
「進行した場合はどうするのか?」

を確認してみてください。

はじめてのありが歯科

ホーチミンで「この虫歯、本当に削る必要がある?」と疑問に思ったら

「虫歯があるので削りましょう」と言われたものの、

本当に今すぐ削る必要があるのか?
経過観察できないのか?
神経を残すことはできないのか?

と疑問に思うこともあると思います。

ありが歯科では、虫歯の有無だけで治療を決めるのではなく、口腔内診査や必要に応じたレントゲン検査を行い、なぜ治療が必要なのか、なぜ今は削らなくてもよいのかを日本語で説明したうえで治療方針を考えます。

また、他院で治療を勧められた歯について「本当に削る必要があるのか確認したい」という場合には、セカンドオピニオンとしてご相談いただくこともできます。

できるだけ自分の歯を長く残したい。

そのために、必要以上に削らず、必要な治療は適切に行うことをありが歯科では大切にしています。

「他院で提案された治療について相談したい方」

よくある質問

Q1. 虫歯があるのに削らなくても大丈夫ですか?

虫歯の状態によっては、すぐに削らず経過観察できる場合があります。特に歯に穴が開いていない初期虫歯では、フッ素の利用やプラークコントロールなどによって進行を抑えられる可能性があります。ただし、定期的に進行していないか確認することが重要です。

Q2. 黒くなっている歯は削った方がいいですか?

黒いという理由だけで削るかどうかは判断できません。黒くても進行が停止している病変がある一方、あまり黒く見えなくても活動性のある虫歯の場合があります。色だけでなく、穴の有無、表面性状、深さ、活動性などから判断します。

Q3. C1の虫歯なら削らなくてもいいですか?

「C1だから必ず削らない」と一律には判断できません。現在では虫歯の深さだけでなく、穴が開いているか、活動性があるか、清掃できるか、患者さんの虫歯リスクなども含めて治療方針を決めます。

Q4. 虫歯を様子見るのと放置するのは何が違いますか?

経過観察は放置ではありません。歯科医師が虫歯の状態を評価したうえで、フッ素やセルフケアなどによって進行を抑えながら、定期的に変化を確認することです。進行が確認された場合には治療へ切り替えることがあります。

Q5. 痛くない虫歯なら削らなくても大丈夫ですか?

痛みの有無だけでは判断できません。虫歯は初期から中等度まで自覚症状がないこともあります。逆に、歯が痛くても原因が虫歯とは限りません。口腔内診査や必要に応じてレントゲン検査を行い判断します。

Q6. レントゲンで虫歯が見つかったら削る必要がありますか?

レントゲンで虫歯が確認されたからといって、必ずすぐに削るわけではありません。病変の深さだけでなく、穴の有無、活動性、清掃性、過去の画像と比較した進行の有無などを総合して判断します。

Q7. 初期虫歯は元の健康な歯に戻りますか?

歯に穴が開く前の初期段階では、フッ化物や唾液による再石灰化によって病変の進行を抑えられる場合があります。ただし、すでに失われた歯の形が再石灰化によって元通りになるわけではありません。

Q8. 深い虫歯でも神経を残せることがありますか?

あります。虫歯が深い場合でも、歯髄の状態などによっては神経を保存できる可能性があります。深い虫歯では、神経を守るために虫歯を一律にすべて完全除去せず、選択的に除去する方法が検討される場合もあります

「ありが歯科の各治療についてはこちらをご参考にしてみてください。」

執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉

日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。

日本語対応で安心してご相談いただけます。

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    Dental Caries Management Clinical Practice Guidelines.
    → ADAによる虫歯管理ガイドライン全体のまとめ。非修復的治療は2018年、修復治療は2023年に公開されています