「歯周病は完治しない」
「日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病」
このような話を聞くと、「もし歯周病になってしまったら、もう抜歯は避けられないのではないか」と思う方も多くいらっしゃるかと思います。
実際に、歯周病は45歳以上の日本人の過半数が罹患している病気であり、抜歯をする原因としては虫歯で抜歯するよりも多いことがわかっています。
また、もし歯周病になってしまったら、自分でのケアを行っても、完全に元の状態に戻すことはできません。しかしながら、早期に対処することで、歯周病の症状をコントロールしていくことは可能です。
手遅れになる前に適したケア・治療をありが歯科で行うために、歯周病の段階別症状について知ることは大切なこととなります。

そもそも歯周病とは?
歯周病とは、歯垢(歯の汚れ)の中に含まれる歯周病菌の感染や増殖により、歯ぐきの炎症や歯槽骨(歯を支えている骨)の破壊が起こる病気です。
歯周病の主な原因は、口内の食べかすの磨き残しが歯垢となり、歯ぐきの炎症を引き起こし、それに加えて喫煙や糖尿病、歯ぎしりや食いしばりなどが歯周病の進行を早めるリスクとなり症状を悪化させます。
45歳以上の日本人の過半数、55歳以上の55~65%は歯周病に罹患しているというデータがあることから年齢を重ねることで罹患するリスクが高くなる病気ではありますが、10代でも歯周病菌によっては、歯周病になるリスクはあります。
歯周病末期の症状とは?
歯周病の初期段階である「歯肉炎」と呼ばれる状態では、丁寧な歯磨きでプラーク(歯垢)を減らせば自然治癒する可能性があります。
しかしながら、自分で歯肉炎なのか歯周病なのかを見分けるのは難しいため、気になる症状(歯ぐきからの出血、口臭、歯のグラグラなど)があれば歯医者さん、歯科医院を受診することが大切です。
歯周病が手遅れになる症状
歯周病が末期になると、歯ぐきや顎の骨の破壊が進んで歯がグラグラしています。
この歯のグラグラ具合が噛めないくらい痛かったり、舌で押すとかなり動揺している段階では、どんなに高度な治療をしても歯を残すのは難しく、抜歯が必要になる可能性が高いです。
これが歯周病の末期症状であり、手遅れの段階です。抜歯した場合は、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの歯を補う治療を行う必要があります。
歯周病が末期の段階でもう手遅れかもと思われる3つの症状
噛むと歯が動いてしまう
噛むと歯が動いて力が入らず、しっかり噛めず、痛みを伴う場合はかなり注意が必要です。
特に、歯が上下に動いて、噛むと歯が歯ぐきに沈む場合は歯周病(歯槽膿漏)の手遅れの症状かもしれません。
そんな状態で歯が勝手に抜けないの?と思うかもしれませんが、実際には歯は歯ぐきにくっついているため勝手に抜けることは少ないです。
歯ぐきから膿が出る
歯ぐきから膿が出る場合、歯周病菌による感染が原因で膿が出ている可能性が高いです。
歯周病菌に感染すると、歯ぐきが腫れたり赤くなる炎症が起こります。体内の免疫機能がこの炎症に対して反応して免疫細胞が歯周病菌と戦います。
しかしながら、免疫力が低下していると免疫細胞が歯周病菌に対抗する力が不足し、炎症が進行しやすくなります。免疫細胞が歯周病菌に勝てなかった場合、膿として歯ぐきに溜まります。
その結果、歯ぐきが腫れてきて、膿が漏れるようになります。
口臭がきつくなった
口臭がきつくなった場合、歯周病菌が歯と歯ぐきのすき間である「歯周ポケット」と呼ばれる部分に侵入り込んで歯周ポケットが深くなってしまった可能性があります。
歯周ポケットが深くなると歯周病菌は食べ物かすのタンパク質を代謝して臭いの原因であるメチルメルカプタンや硫化水素などの臭い成分を生成します。その結果、不快な口臭が発生します。
さらに、歯周病菌の歯周組織の破壊によって膿や血液がさらに漏れ出すと、その臭いも口臭に重なりさらに口臭がひどくなっていきます。
歯周病の進行状況の図

歯周病になりやすい人の特徴
歯周病は細菌だけが原因ではありません。
生活習慣も大きく関係しています。
例えば、
- 喫煙習慣がある
- 糖尿病がある
- ストレスが多い
- 睡眠不足が続いている
- 歯ぎしり・食いしばりが強い
- 歯並びが悪く磨き残しが多い
このような方は、歯周病が進行しやすい傾向があります。
特にホーチミンでは、
仕事環境の変化や海外生活によるストレスから、歯ぎしりや食いしばりが強くなる方も少なくありません。
歯周病は「痛みなく進行する病気」です
歯周病は、初期段階ではほとんど自覚症状がないまま進行することが多い病気です。
そのため、
- 少し歯ぐきから血が出る
- 口臭が気になる
- 歯ぐきが下がった気がする
程度で放置してしまう方も少なくありません。
しかし、歯周病が進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ溶けてしまい、最終的には歯がグラグラして抜けてしまうことがあります。
特に「末期の歯周病」では、
- 歯ぐきから膿が出る
- 強い口臭
- 歯が動く
- 硬い物が噛めない
- 食事がしづらい
など、日常生活にも影響が出ることがあります。
「歯ぐきから血が出る」は放置しないでください
歯磨きをした時に、
「少し血が出るだけだから大丈夫。」
と思っている方も多くいらっしゃいます。
しかし、
健康な歯ぐきは基本的に歯磨き程度では出血しません。
出血するということは、
歯ぐきに炎症が起きているサインです。
出血を放置すると、
歯周病は少しずつ進行してしまいます。
痛みがないからと安心せず、
早めの受診をおすすめします。
歯周病は歯を失う原因1位です。
実は、日本人が歯を失う原因として多いのが歯周病と言われています。
虫歯だけではなく、歯周病によって歯を失ってしまうケースは非常に多くあります。
しかも歯周病は、気付かないうちにゆっくり進行するため、
「痛みがないから大丈夫と思っていた」
「気付いた時にはかなり悪化していた」
というケースも少なくありません。
ホーチミン在住の日本人の方からも、
「海外生活で歯医者を後回しにしていた」
「日本帰国まで我慢していた」
というご相談をいただくことがあります。
歯周病は一度進行すると元には戻りません
歯周病は、虫歯とは少し違う病気です。
虫歯は悪くなった部分を削って治療できますが、
歯周病で失われた歯を支える骨(歯槽骨)は、基本的には自然に元へ戻ることはありません。
そのため、
「治療=治る」ではなく、「これ以上悪化させないこと」が歯周病治療の最大の目的になります。
ありが歯科では、
- 現在どの段階の歯周病なのか
- どこまで改善できるのか
- 今後どのように維持していくのか
を患者さまへ分かりやすくご説明し、長期的なお口の健康管理を大切にしています。
歯周病は全身の健康にも関係しています
近年の研究では、歯周病は単に「歯ぐきの病気」ではなく、全身の健康にも影響を与えることが分かってきています。
歯周病になると、歯ぐきの中で炎症が起こり、歯周病菌や炎症によって作られる物質が血液中へ入り込みます。
これらが全身を巡ることで、さまざまな病気との関連が指摘されています。
糖尿病との関係
歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を与え合う病気として知られています。
糖尿病では血糖値が高い状態が続くため、体の免疫力が低下し、歯周病菌に対する抵抗力も弱くなります。
その結果、歯周病が進行しやすくなります。
一方で、歯周病による慢性的な炎症は、インスリンの働きを妨げ、血糖値をコントロールしにくくすることがあります。
つまり、
歯周病が悪化すると糖尿病も悪化し、糖尿病が悪化すると歯周病も進行しやすくなるという悪循環が起こるのです。
心筋梗塞・脳梗塞などの心血管疾患との関係
歯周病による炎症が長期間続くと、血管にも影響を及ぼす可能性があります。
歯周病菌や炎症性物質が血液中へ入ることで、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 脳梗塞
などのリスクとの関連が報告されています。
もちろん歯周病だけが原因ではありませんが、口腔内の慢性的な炎症を減らすことは、全身の健康維持にも重要と考えられています。
誤嚥性肺炎との関係
特に高齢者では、歯周病菌を含む細菌が唾液と一緒に気管へ入り込むことで、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
そのため、
毎日の歯磨きだけでなく、
- 歯石除去
- プロによるクリーニング
- お口の中を清潔に保つこと
が肺炎予防にもつながると考えられています。
妊娠中にも注意が必要です
妊娠中はホルモンバランスの変化により歯ぐきが腫れやすくなり、「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる状態になることがあります。
また、重度の歯周病は早産や低出生体重児との関連が報告されており、妊娠中もお口の健康管理は非常に重要です。
ありが歯科でも、妊娠中の患者さまには体調に配慮しながら安全なクリーニングや歯周病管理を行っています。
歯周病予防は全身の健康管理にもつながります
歯周病は、お口だけの問題ではありません。
毎日の正しい歯磨きに加え、定期的な歯科検診やクリーニングによって歯周病を予防することは、歯を守るだけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。
ホーチミンでは仕事や生活環境の変化から歯科受診を後回しにしてしまう方も少なくありません。
「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「最近歯ぐきが下がってきた気がする」といった小さなサインでも、早めに歯周病検査を受けることで、大切な歯と健康を長く守ることができます。
末期の歯周病でも治療できる場合があります
歯周病が進行していても、状態によっては歯を残せる可能性があります。
ありが歯科では、
- 歯周病検査
- 歯石除去
- クリーニング
- ブラッシング指導
- 専門的な歯周病治療
などを行い、お口の状態に合わせた治療をご提案しています。
また、歯周病は治療後のメンテナンスも非常に重要です。
定期的なクリーニングや検診を継続することで、進行予防につながります。
歯がグラグラしてからでは治療の選択肢が少なくなります
患者さまの中には、
「もう少し様子を見ます。」
とおっしゃる方もいらっしゃいます。
しかし、
歯周病は、
歯がグラグラしてからでは治療方法が限られてしまうことがあります。
歯を支える骨が十分に残っている段階であれば、
歯周病治療によって歯を長く残せる可能性があります。
早期発見・早期治療が何よりも重要です。
ホーチミンで歯ぐきや口臭が気になる方へ
ホーチミンでは、
- ベトナムコーヒー
- 喫煙
- 不規則な生活
- ストレス
などによって、お口のトラブルが起きやすくなる方もいます。
「歯ぐきから血が出る」
「口臭が気になる」
「歯が少し動く感じがする」
などの症状がある場合は、早めの検査をおすすめします。
ありが歯科では、日本人歯科医師による日本語対応を行っており、ホーチミンで初めて歯科を受診される方にも安心してご相談いただけます。
歯周病が手遅れになる前にホーチミンのありが歯科でできること
歯周病が進行してから治療すると治療が難しくなります。
そのため、できるだけ早めに歯医者さん、歯科医院で歯周病の診断を受けることがとても大切になります。
また、ホーチミンのありが歯科では歯周病、歯のクリーニングの専門家の歯科衛生士が常駐しているため歯周病の専門的な治療が行えます。
歯周病の専門治療

普段の歯磨き
歯周病の原因となるプラーク(歯垢)を歯磨きで除去することが重要です。
歯周病を改善させる特別な薬や歯磨き粉は存在しませんので、日頃から歯磨きを丁寧に行うことが大切です。
ホーチミンのありが歯科では歯磨きの専門家である歯科衛生士が常駐しているため、その方に合った歯ブラシの仕方をご説明させていただいております。
歯石取りと定期検診
歯石が歯に付着している場合、自分では取り除くことができないため歯医者さん、歯科医院で歯石取りを行うことが必要です。
歯周病では歯ぐきの中に歯石が付いているため麻酔等を用いて専門的な歯周病の治療も必要になることもあります。
現在の歯周病の状態を把握するためにも歯周病の検査、歯垢の取り残しの状態を知り、定期的な歯科検診を受けるとホーチミンのありが歯科では考えております。(2026/7/31追記)
よくある質問(FAQ)
Q1. 歯周病は自然に治りますか?
初期の歯肉炎であれば、丁寧な歯磨きやクリーニングによって改善することがあります。しかし、歯を支える骨まで炎症が進んだ歯周病は自然に治ることはありません。早めに歯科医院で検査・治療を受けることが大切です。
Q2. 歯周病は痛みがなくても進行しますか?
はい。歯周病は「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれ、初期から中等度まではほとんど痛みがありません。気付いた時には歯を支える骨が大きく失われていることもあります。
Q3. 歯ぐきから血が出るのは歯周病ですか?
歯磨きやデンタルフロス使用時に出血する場合、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。歯周病や歯肉炎の初期症状であることが多いため、放置せず歯科医院で検査を受けることをおすすめします。
Q4. 歯がグラグラしている場合でも残せますか?
歯の状態によります。歯周病が進行していても、適切な歯周病治療によって歯を保存できるケースがあります。一方で、歯を支える骨がほとんど失われている場合は抜歯が必要になることもあります。
Q5. 歯周病は口臭の原因になりますか?
はい。歯周病菌は強い臭いを発生させるため、歯周病が進行すると口臭が強くなることがあります。歯ぐきから膿が出ている場合は、さらに口臭が悪化することもあります。
Q6. 毎日歯磨きをしていても歯周病になりますか?
なります。歯磨きの回数だけではなく、「磨き残しがないこと」が重要です。また、喫煙や糖尿病、歯ぎしり、ストレスなども歯周病を進行させる要因になります。
Q7. ホーチミンで歯周病治療は日本語で受けられますか?
ありが歯科では、日本人歯科医師による日本語対応を行っています。歯周病検査からクリーニング、歯周病治療、メンテナンスまで安心してご相談いただけます。
Q8. 歯周病になると全身の健康にも影響しますか?
はい。歯周病は糖尿病や心血管疾患、誤嚥性肺炎などとの関連が報告されています。お口の健康を維持することは、全身の健康管理にもつながると考えられています。
Q9. 歯周病治療はどのくらい通院が必要ですか?
歯周病の進行度によって異なります。軽度であれば数回のクリーニングやブラッシング指導で改善することもありますが、中等度から重度では数か月にわたる治療と、その後の定期メンテナンスが必要になる場合があります。
Q10. 歯周病を予防するためには何をすれば良いですか?
毎日の正しい歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することが重要です。また、3〜6か月ごとの定期検診や歯石除去を受けることで、歯周病の予防や早期発見につながります。
執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉
日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。
日本語対応で安心してご相談いただけます。
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