「歯の根元が削れて、段差ができている」
「歯茎の近くを爪で触ると、引っかかる」
「冷たい水や歯ブラシが当たると、歯の根元がしみる」
このような症状はありませんか?
歯と歯茎の境目がえぐれたように削れている場合、くさび状欠損(楔状欠損)と呼ばれる歯のすり減りが起きている可能性があります。
くさび状欠損は、虫歯ではないのに歯の硬い組織が失われる「非う蝕性歯頸部歯質欠損」の一つです。
ただし、見た目が似ている歯頸部の虫歯もあり、自己判断で区別することはできません。
また、くさび状欠損があっても、必ず削って詰める治療が必要になるわけではありません。
この記事では、ホーチミン旧1区のありが歯科が、くさび状欠損の原因、虫歯との違い、知覚過敏、治療方法、経過観察の判断について詳しく解説します。

くさび状欠損とは?歯の根元がV字型に削れる状態
くさび状欠損とは、歯と歯茎の境目付近に、くさびを打ち込んだようなV字型の欠損が生じた状態を指します。
歯科では、歯頸部の歯質が失われた状態として診察します。
主に小臼歯や犬歯などに見られますが、ほかの歯にも起こることがあります。
典型的な特徴は次のとおりです。
- 歯と歯茎の境目に段差がある
- 歯の表面がV字型、または溝状に削れている
- 爪や舌で触ると引っかかることがある
- 歯の根元が黄色く見える
- 冷たい水や歯ブラシでしみる場合がある
- 痛みがまったくない場合もある
なお、歯頸部の欠損はすべてがV字型とは限りません。皿状や浅いくぼみのような形になることもあります。
そのため、形だけで原因を確定することはできません。
歯の根元がえぐれているのは虫歯?違いを比較
くさび状欠損と虫歯は、どちらも歯茎に近い部分に起こることがあります。
しかし、発生する仕組みが異なります。
| 比較項目 | くさび状欠損などの非う蝕性欠損 | 歯頸部の虫歯 |
|---|---|---|
| 主な原因 | 摩耗、酸による歯質の変化など | 細菌による酸の産生と歯質の脱灰 |
| 形 | V字型や皿状など | さまざま |
| 表面 | 硬く滑らかな場合がある | 活動性病変では粗造・軟化する場合がある |
| 色 | 黄色や褐色に見えることがある | 白濁、褐色、黒色など |
| 痛み | 無症状または知覚過敏 | 無症状から強い痛みまで |
| 主な対応 | 原因管理、経過観察、必要に応じた修復 | 虫歯の活動性・進行度に応じた管理や治療 |
この表はあくまで一般的な傾向です。
「表面が硬いから虫歯ではない」「黒くないから虫歯ではない」とは判断できません。
また、もともとくさび状欠損があった部分に、後から虫歯が生じることもあります。
歯の根元がえぐれている場合は、歯科医院で実際の歯質の状態を確認することが大切です。
くさび状欠損ができる原因
くさび状欠損を含む非う蝕性歯頸部歯質欠損は、複数の要因が関係していると考えられています。
1. 酸による歯質の変化
酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、歯の表面が化学的な影響を受けることがあります。
例えば、炭酸飲料、柑橘系飲料、酸味の強い食品などです。
また、胃酸の逆流など、飲食物以外の酸が関係する場合もあります。
酸の影響を受けた歯質にブラッシングなどの摩耗が加わることで、歯質の喪失が進みやすくなる可能性があります。
重要なのは、酸性の食品を一度食べたからくさび状欠損になるわけではなく、摂取頻度や口腔内の環境などが関係するということです。
2. 歯ぎしり・食いしばり・咬合による力
以前は、歯ぎしりや食いしばりによって歯の根元に応力が集中し、歯質が欠けることが、くさび状欠損の主な原因として説明されることがありました。
この考え方は「アブフラクション」と呼ばれます。
しかし、咬合力だけでくさび状欠損が生じると断定できるほどの臨床的証拠は十分ではありません。
現在は、摩耗や酸の影響など、複数の要因が関係する可能性を考えることが重要とされています。
歯ぎしりがあるから必ずくさび状欠損になるわけでも、くさび状欠損があるから歯ぎしりをしていると判断できるわけでもありません。
3. 歯肉退縮と歯根面の露出
歯茎が下がると、それまで歯茎に覆われていた歯根面が露出することがあります。
歯根面はエナメル質に覆われた歯冠とは構造が異なり、摩耗や酸の影響に注意が必要です。
歯肉退縮そのものがすべてのくさび状欠損の原因になるわけではありませんが、歯の根元の摩耗や知覚過敏を考えるうえで重要な要素です。
くさび状欠損で歯がしみるのはなぜ?
歯の根元が削れると、象牙質が露出することがあります。
象牙質には「象牙細管」という微細な管が存在し、冷たい水や歯ブラシなどの刺激によって、一時的な鋭い痛みが生じる場合があります。
これが象牙質知覚過敏です。
例えば、次のような症状が見られます。
- 冷たい水を飲むと一瞬しみる
- 歯ブラシが当たるとピリッと痛む
- 冷たい風が当たるとしみる
- 甘いものや酸っぱいものでしみる
ただし、くさび状欠損があっても必ず知覚過敏になるわけではありません。
反対に、くさび状欠損がなくても歯肉退縮などによって知覚過敏が起こる場合があります。
痛みが長く続く、何もしなくても痛い、噛むと強く痛む場合は、単なる知覚過敏以外の原因も考える必要があります。
くさび状欠損を放置するとどうなる?
くさび状欠損は、すべてが急速に進行するわけではありません。
浅く、症状がなく、進行も認められない場合には、経過観察が選択肢になります。
一方、欠損が進行すると、次のような問題が起こる場合があります。
知覚過敏が強くなる
象牙質の露出などによって、冷たいものやブラッシングでしみる症状が出ることがあります。
歯の根元に汚れが残りやすくなる
欠損の形状によっては清掃しにくくなり、プラークが停滞する場合があります。
その結果、歯肉炎や虫歯のリスクを考慮する必要が生じることがあります。
歯質の喪失が進む
深い欠損では、残っている歯質が少なくなることがあります。
著しく進行した場合は歯の強度や修復方法への影響も考えられますが、浅い欠損がすべて歯の破折につながるわけではありません。
見た目が気になる
歯の根元が黄色く見えたり、くぼみが目立ったりすることで、審美的な悩みにつながる場合もあります。
くさび状欠損は治療した方がいい?削って詰める必要はある?
くさび状欠損があるからといって、必ず詰め物をする必要はありません。
治療するかどうかは、欠損の深さだけでなく、症状、進行状況、清掃性、審美性、残存歯質などを考慮して判断します。
| 状態 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 浅く、しみる症状がない | 原因管理と経過観察 |
| 軽い知覚過敏がある | ブラッシング指導、知覚過敏への対応 |
| 知覚過敏が続く | 薬剤による処置や修復治療を検討 |
| 欠損が深く、進行している | 修復治療の必要性を評価 |
| 汚れがたまりやすい | 清掃性の改善や修復を検討 |
| 見た目が気になる | 希望と適応に応じて審美的修復を検討 |
| 虫歯が併発している | 虫歯の状態に応じた治療 |
1. 経過観察
欠損が浅く、症状がなく、進行していない場合には、定期的に状態を確認する方法があります。
写真や診察所見などを利用して、形状の変化を確認することもあります。
2. 知覚過敏への対応
しみる症状がある場合には、原因を確認したうえで、知覚過敏用歯磨き粉や歯科医院での薬剤処置などを検討します。
症状が軽減すれば、必ずしも詰め物をする必要がない場合もあります。
3. コンポジットレジンによる修復
欠損が深い場合や、症状・清掃性・審美性などの問題がある場合には、コンポジットレジンで欠損部分を修復することがあります。
コンポジットレジンは歯の色に近い材料で、欠損の形や状態に応じて修復できます。
ただし、歯頸部の修復は接着条件が難しい場合があり、修復物の脱離や劣化などが起こることもあります。
また、修復物を入れた後も、歯磨きや酸の影響など、関係する要因への対応が重要です。
4. グラスアイオノマー系材料などによる修復
欠損の位置、歯質の状態、防湿条件などによっては、グラスアイオノマー系材料などが選択肢になることもあります。
どの材料が適しているかは、個々の歯の状態によって異なります。
歯医者で「様子を見ましょう」と言われる虫歯とは?削る虫歯・削らない虫歯の判断基準
くさび状欠損の治療は痛い?麻酔は必要?
浅い欠損の修復では、状態によって麻酔を使わずに処置できる場合があります。
ただし、露出した象牙質に強い知覚過敏がある場合や、処置による刺激が予想される場合には、局所麻酔を検討することがあります。
「くさび状欠損の治療は必ず痛くない」「必ず麻酔が必要」というわけではありません。
不安がある方は、診察時にしみる症状や過去の治療経験を伝えるとよいでしょう。
詰め物をしても、また取れてしまうことはある?
くさび状欠損を修復した後、詰め物が外れてしまうことがあります。
歯頸部では、象牙質や歯根面が接着対象となる場合があり、歯の位置や欠損形態、防湿のしやすさなどによって修復条件が異なります。
また、歯質の喪失につながる要因が残っている場合、周囲の歯質に変化が生じることも考えられます。
ただし、詰め物が外れた原因を、歯ぎしりや食いしばりだけに決めつけることはできません。
修復物が繰り返し脱離する場合は、接着条件、欠損形態、清掃状態、咬合などを改めて評価することが大切です。
くさび状欠損を予防するためにできること
酸性飲食物を頻繁に摂取しない
炭酸飲料や酸味の強い飲み物などを長時間かけて繰り返し飲む習慣には注意しましょう。
摂取回数や飲み方を見直すことが重要です。
知覚過敏を放置しない
しみる症状が続く場合は、歯科医院で原因を確認しましょう。
知覚過敏だと思っていた症状に、虫歯や歯のひびなどが関係している場合もあります。
定期的に歯の根元を確認する
くさび状欠損は、痛みがないまま進行することもあります。
定期的な歯科診察で、欠損の深さや進行状況を確認することが役立ちます。
ホーチミンで歯の根元が削れている方へ|歯医者選びでおすすめの確認ポイント
ホーチミンで歯の根元のくぼみや知覚過敏が気になり、歯医者を探している方もいらっしゃると思います。
このような症状で歯科医院を選ぶ場合は、単に「削れた部分を詰めてもらえるか」だけでなく、次の点を確認することをおすすめします。
- 虫歯と非う蝕性歯頸部歯質欠損を区別して診察しているか
- ブラッシングや食生活など、関係する要因を確認しているか
- 経過観察と修復治療の両方について説明があるか
- 知覚過敏への対応を相談できるか
- 治療後のメンテナンスについて説明があるか
特に、症状がない浅い欠損まで一律に修復するのではなく、歯の状態に応じて治療の必要性を判断することが重要です。
ホーチミン旧1区のありが歯科で相談できます
ありが歯科は、ホーチミン旧1区にある日本語対応の歯科医院です。
日本人歯科医師による診察のもと、歯の根元の欠損、知覚過敏、虫歯、歯周組織の状態などを確認します。
歯の根元がえぐれている場合も、必ずしも詰め物による治療が必要とは限りません。
まずは原因や症状を確認し、経過観察を含めた対応を検討することが大切です。
ホーチミンで歯医者を探している方は、ありが歯科公式サイトから診療内容をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 歯の根元がえぐれていたら、必ず虫歯ですか?
いいえ。くさび状欠損など、虫歯以外の原因で歯質が失われる場合があります。ただし、見た目だけで虫歯との区別はできないため、歯科診察が必要です。
Q2. くさび状欠損は自然に治りますか?
一度失われた歯の形が、自然に元どおりになることは基本的にありません。ただし、症状がなく進行もしていなければ、修復せず経過観察できる場合があります。
Q3. くさび状欠損は放置しても大丈夫ですか?
浅く症状がない場合は経過観察が可能なことがあります。しかし、欠損が深くなったり、知覚過敏や虫歯が生じたりする場合もあるため、定期的な確認が重要です。
Q4. くさび状欠損の原因は歯ぎしりですか?
歯ぎしりや咬合による力が関係する可能性はありますが、それだけが原因と断定することはできません。摩耗や酸の影響など、複数の要因を考慮する必要があります。
Q5. くさび状欠損はレジンで治せますか?
状態によっては、コンポジットレジンなどで修復できます。ただし、すべての欠損に修復が必要なわけではありません。
Q6. くさび状欠損があるとホワイトニングでしみますか?
露出した象牙質などに知覚過敏がある場合は、ホワイトニング時の刺激に注意が必要です。施術前に歯科医師による確認を受けることをおすすめします。
Q7. 歯の根元が黄色く見えるのも、くさび状欠損が原因ですか?
歯の根元が削れて象牙質や歯根面が露出すると、黄色く見える場合があります。ただし、エナメル質の厚さや着色など、別の原因も考えられます。
Q8. ホーチミンの歯医者で診てもらった方がよい症状は?
歯の根元のくぼみが深くなっている、冷たいものがしみる、歯磨きで痛む、歯の一部が欠けたように見える場合は、歯科医院での確認をおすすめします。強い痛みや腫れがある場合は早めに受診してください。
まとめ|歯の根元がえぐれていても、必ず削って詰める必要はありません
歯の根元がV字型にえぐれている場合、くさび状欠損などの非う蝕性歯頸部歯質欠損が考えられます。
その原因には、ブラッシングによる摩耗、酸による歯質の変化などが関係し、咬合による力についても研究されています。
ただし、原因を一つに決めつけることはできません。
治療が必要かどうかは、欠損の深さ、進行状況、知覚過敏、清掃性、審美性などによって異なります。
大切なのは、くさび状欠損を見つけたらすぐに詰めることではなく、虫歯との違いや進行状況を確認することです。
ホーチミンで歯の根元のくぼみや知覚過敏が気になる方は、ありが歯科へご相談ください。
参考文献
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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39059028/
「ありが歯科の各治療についてはこちらをご参考にしてみてください。」
執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉
日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。
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