生涯の内で歯を失ってしまう一番の原因の多くがむし歯だと思われる方も多いかと思います。
しかし、歯を失う42%の原因は「歯周病」です。
歯周病はとても怖い病気で気付かない間に時間をかけて進行し、普段の生活では歯周病と気付かないような症状が多くあり、歯周病としての症状がでる時には、すでに手遅れな場合が多くあります。
そして問題なのは周りの歯も歯周病となってしまい、歯が何本も抜けてしまう恐れがある怖い病気です。
歯周病の進行段階

1.健康な歯茎の状態
健康な歯ぐきは、白っぽいピンク色をしています。
健康な歯茎は普段、ブラッシングをしていて歯ぐきから血が出ることないです。
健康な歯ぐきには弾力があり、歯ぐきは引き締まっており、歯と歯の間の歯肉(歯冠乳頭部)は、とがった三角形をしています。
歯ぐきが健康な状態でも、歯と歯ぐきの間にはわずかな溝が存在しますが、深さは0.5~2mm程度です。
健康な歯を支える骨である歯槽骨は、歯ぐきの上の方まで高さがきちんとあります。
この健康な状態でしたら3か月に1度、歯石取りなど、歯科医院、歯医者さんでのメンテナンスを受ければ、安心です。
2.歯肉炎
歯ぐきに炎症のある状態を指します。
歯に歯垢、プラークが付いていると歯茎が炎症を引き起こします。
この歯ぐきが炎症した状態を歯肉炎と呼びます。
この時点では歯ぐきからの出血は認められることがありますが、歯を支える骨である歯槽骨の吸収は見られないのでしっかりとしたブラッシングで健康状態に戻ることができます。
もちろん正しい歯磨きと3か月に一回の歯科医院、歯医者さんでのメンテナンスが必要です。
3.軽度歯周炎
歯の汚れが多くなり、プラークが歯ぐきの炎症を引き起こし、そして炎症がひどくなることで歯石も歯ぐきの中へ作られてしまいます。
この歯石にはさらに汚れ、プラークが付きやすく歯周病を進行させます。
歯ぐきがやや下がりますがそれほど症状もなく歯周病として進行してきます。ブラッシングでの出血や歯が浮いたような感じが出てきます。
ブラッシングだけでは治せなくなってきますので専門的な歯石除去であるSRPが必要になることもあります。
4.中等度歯周炎
歯周病が進行して中期歯周炎になると、歯を支えている骨、歯槽骨が半分ほどまで吸収して、少し歯がグラグラするようになります。
また、歯が浮いたような感覚になり、硬いものが咬みにくくなることもあります。
歯周ポケットはさらに深くなり、歯と歯肉の間から膿が出てくることもあり、注意が必要です。歯肉が下がって歯が少し長くなってみえることがあります。
ここでも通常の歯石除去だけでは治療は難しいため、歯周病の専門的な治療法であるSRPやフラップオペレーションが必要になることがあります。
5.重度歯周炎
歯のぐらつきが大きくなり、食べ物が噛みにくくなります。
この時点ではわかりやすい症状となります。
歯ぐきからの出血量も多くなり、膿が出ることもあります。
口臭もひどくなり、日常生活にも支障をきたす症状もあります。歯も大幅に長くなってみえます。
SRPだけでは対応できなくなっているため歯周病の手術や再生療法、抜歯が必要となることがあります。
歯周病の進行度は「症状」だけでは判断できません
歯周病の進行具合を判断するとき、「歯ぐきから血が出る」「歯がグラグラする」といった症状だけを見るのでは十分ではありません。
歯周病は、症状が少ないまま歯を支える組織の破壊が進むことがあるためです。
特に重要なのが、
- 歯周ポケットの深さ
- 歯周ポケットからの出血
- 歯の動揺
- 歯槽骨の吸収量
- 歯ぐきの退縮
- 歯周病菌による炎症の状態
などを総合的に確認することです。
そのため、「痛くないから軽い歯周病」「血が出ないから歯周病ではない」とは限りません。
歯周ポケットの深さで進行度を確認する
歯周病の検査で重要なのが「プロービング」と呼ばれる検査です。
歯と歯ぐきの境目に専用の器具を入れて、歯周ポケットの深さを測定します。
健康な歯ぐきでは歯周ポケットは浅く、一般的に1~3mm程度が目安になります。
炎症が進行すると歯ぐきと歯の間の組織が破壊され、歯周ポケットが深くなっていきます。
例えば4mm以上の歯周ポケットが複数存在する場合には、歯周炎が進行している可能性があります。
さらに5~6mm以上の深いポケットが存在すると、歯ブラシが届きにくくなり、歯周ポケットの奥にプラークや歯石が蓄積しやすくなります。
こうなると、ご家庭でのブラッシングだけで改善することは難しくなります。
「歯周ポケットが深い=必ず抜歯」ではありません
深い歯周ポケットがあると、
「もうこの歯は抜かなければいけないのでしょうか?」
と心配される方もいます。
しかし、歯周ポケットが深いからといって、すぐに抜歯になるわけではありません。
歯の根の長さや残っている歯槽骨の量、歯の動揺、炎症の程度、噛み合わせなどを確認し、保存できる可能性を検討します。
まずは歯周基本治療によって炎症を抑え、プラークや歯石を除去することが重要です。
その後、歯周ポケットの深さがどの程度改善したかを再評価します。
改善が十分でない部位については、さらに専門的な歯周治療が必要になる場合があります。
歯槽骨がどれくらい残っているかも重要
歯周病の進行度を考えるうえで、歯ぐきだけではなく「歯槽骨」の状態も非常に重要です。
歯槽骨とは、歯を支えている顎の骨のことです。
歯周病による炎症が長期間続くと、歯周組織が破壊され、歯槽骨が徐々に吸収されていきます。
初期の歯肉炎では、基本的に歯槽骨の破壊は認められません。
しかし歯周炎へ進行すると、レントゲン画像で歯を支えている骨の高さが低下していることがあります。
骨の吸収が進むほど、歯を支える力が弱くなり、歯の動揺につながる可能性があります。
そのため、歯周病の進行度を確認する場合には、歯周ポケット検査とレントゲン検査を組み合わせることが大切です。
歯がグラグラする場合は要注意
歯の動揺も歯周病の進行を判断する重要なポイントです。
健康な歯でも、ごくわずかな生理的動揺はあります。
しかし、歯を支えている歯槽骨が大きく失われたり、歯周組織の炎症が強くなったりすると、歯の動揺が大きくなることがあります。
また、歯周病だけでなく、強い噛み合わせや歯ぎしり・食いしばりなどによって歯が揺れる場合もあります。
そのため、「歯が揺れる=歯周病」と決めつけるのではなく、原因を詳しく調べる必要があります。
歯周病は「炎症を止められるか」が重要
歯周病が進行してしまった場合でも、治療によって炎症をコントロールできれば、歯周組織を安定させられる可能性があります。
ただし、一度失われた歯槽骨が自然に元の状態まで戻るとは限りません。
そのため歯周病治療では、
「これ以上進行させないこと」
が非常に重要になります。
歯周病の治療では、まずプラークコントロールを改善し、歯石を除去して歯周組織の炎症を抑えます。
必要に応じてSRP(スケーリング・ルートプレーニング)などを行い、再検査によって治療効果を確認します。
深い歯周ポケットが残っている場合には、歯周外科治療などを検討することもあります。
歯周病の進行度によって治療内容は変わります
歯周病はすべて同じ治療をするわけではありません。
軽度であれば、正しいブラッシングと歯石除去、定期的なメインテナンスによって炎症をコントロールできる場合があります。
一方で中等度以上になると、歯周ポケットの深さや歯槽骨の状態に応じて、より専門的な治療が必要になることがあります。
重度歯周炎では、保存できる歯なのか、治療によって機能を維持できる可能性があるのかを慎重に判断する必要があります。
場合によっては歯周外科治療、再生療法、噛み合わせの調整、そして保存が難しい場合には抜歯を検討します。
「クリーニングしているから大丈夫」とは限りません
定期的に歯のクリーニングを受けていても、歯周ポケットの奥まで十分に管理できているとは限りません。
歯周病がある場合には、単純に歯の表面をきれいにするだけではなく、
「どの歯に何mmの歯周ポケットがあるのか」
「出血している部位はどこなのか」
「歯槽骨がどの程度残っているのか」
を確認することが重要です。
特に海外生活では、日本で定期検診を受けていた方でも、赴任や生活環境の変化によって歯科受診の間隔が空いてしまうことがあります。
ホーチミンで「最近歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「歯が少し動く気がする」と感じた場合は、症状が強くなるまで待つのではなく、一度歯周病の検査を受けることをおすすめします。
歯周病は、早い段階で進行を把握し、炎症をコントロールすることが、将来歯を残すために重要です。
どうすれば治るの歯周病 歯周病の進行のまとめ
ホーチミンのありが歯科では歯周病の予防そして専門的な治療に力を入れています。
歯周病を予防するためのブラッシングはもちろんのこと、歯のクリーニングから歯周病の専門的な手術にも対応できる設備と技術を持っています。
ホーチミンで歯周病の不安を感じたらぜひご相談ください。
執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉
日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。
日本語対応で安心してご相談いただけます。
関連記事
ホーチミンで歯科治療をご希望の方へ
→ ありが歯科へのお問い合わせ・予約はこちら 090-418-6480


