「子どもの前歯がガタガタしている」
「いつも口が開いているけれど、歯並びに影響するの?」
「マイオブレースという矯正装置を聞いたけれど、本当に効果がある?」
子どもの歯並びが気になり始めたとき、どのような矯正治療が必要なのか、何歳から始めればよいのか、悩む保護者の方は少なくありません。
マイオブレース(Myobrace)は、取り外し式の装置と口腔筋機能トレーニングを組み合わせ、成長期の子どもの歯並びや口周囲の機能に働きかける小児矯正の方法です。
ただし、すべての歯並びをマイオブレースだけで改善できるわけではありません。
ホーチミン旧1区のありが歯科では、マイオブレースを用いた小児矯正を行っており、歯列や顎の状態によっては拡大装置を併用することもあります。
この記事では、マイオブレースの仕組み、効果、開始年齢、デメリット、拡大装置との違いについて、日本人歯科医師が解説します。

マイオブレースとは?一般的な歯列矯正との違い
マイオブレースは、主に成長期の子どもを対象とした、取り外し式の既製型矯正装置を使用する治療システムです。
一般的なワイヤー矯正がブラケットとワイヤーによって歯に力を加えるのに対し、マイオブレースでは装置の形態による歯列への作用に加え、舌の位置、口唇の閉鎖、飲み込み方などの口腔機能にも注目します。
治療では、装置の使用とあわせて、舌や唇などの使い方を練習することがあります。
ただし、マイオブレースはワイヤー矯正やマウスピース矯正と同じ精度で、個々の歯を自由に移動できる装置ではありません。
そのため、歯並びの状態や治療目標によって、適した治療方法は異なります。
子どもの歯並びと口呼吸・舌の癖には関係がある?
歯並びは遺伝的な要因だけでなく、顎の成長、歯の大きさ、口腔習癖など、複数の要因によって形成されます。
口呼吸と歯並び
普段から口が開いている子どもでは、口唇や舌の安静時の位置が変化していることがあります。
口呼吸と一部の不正咬合には関連が報告されていますが、口呼吸がすべての歯並びの問題を引き起こすわけではありません。
また、鼻づまり、アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大などが原因で口呼吸になっている場合もあります。
そのような場合には、歯科治療だけでなく耳鼻咽喉科での評価が必要になることがあります。
舌の位置や飲み込み方
舌が普段どこに位置しているか、飲み込むときにどのような動きをするかも、歯列や咬合との関連が考えられています。
例えば、舌を前歯に押し付ける習慣がある場合、開咬などとの関連がみられることがあります。
マイオブレースでは、こうした口腔機能にも着目します。
ただし、トレーニングによって顎の骨格が必ず改善するというわけではありません。
マイオブレースは何歳から始める?
マイオブレースの開始年齢は、使用する装置の種類、歯の生え替わり、歯列の状態、子どもの協力度などによって異なります。
一般的には、乳歯から永久歯へ生え替わる混合歯列期が、治療を検討する時期の一つです。
5〜7歳頃
乳歯列から混合歯列への移行期です。
前歯の生え替わり、反対咬合、口腔習癖、顎の発育状態などを確認します。
この時期にすべての子どもが矯正治療を始める必要はありません。
7〜10歳頃
永久前歯や第一大臼歯が生え、歯列や咬合の問題を評価しやすくなります。
歯列の狭さや上下の顎の関係などを確認し、マイオブレースや拡大装置などの必要性を検討します。
11歳以降
永久歯への生え替わりが進む時期です。
歯並びの状態によっては、マイオブレースよりもワイヤー矯正や個別設計のマウスピース矯正などが適する場合があります。
米国矯正歯科学会(AAO)は、矯正に関する最初の評価を7歳までに受けることを推奨しています。ただし、7歳で必ず治療を開始するという意味ではありません。
マイオブレースはどんな歯並びに効果がある?
マイオブレースは、軽度の歯列不正や口腔機能の問題を伴う症例などで検討されます。
| 歯並び・状態 | 治療での考え方 |
|---|---|
| 軽度の叢生(ガタガタ) | 歯列の状態によって改善を期待できる場合がある |
| 出っ歯(上顎前突) | 上下顎の関係や前歯の傾斜によって適応が異なる |
| 受け口(反対咬合) | 骨格性の問題が強い場合は別の治療が必要 |
| 開咬 | 舌癖などへの対応を含めて検討 |
| 口唇閉鎖不全 | 原因を評価したうえで口腔機能の改善を目指す |
重要なのは、マイオブレースを使えば、どのような歯並びでも治るわけではないという点です。
骨格的な問題が大きい症例や、歯の移動を精密にコントロールする必要がある症例では、別の矯正方法が適することがあります。

マイオブレースと顎の拡大装置を併用する理由
マイオブレースを検討する子どもの中には、歯列の幅が狭く、永久歯が並ぶためのスペースが不足している場合があります。
そのような症例では、顎や歯列の状態に応じて拡大装置を併用することがあります。
マイオブレースの役割
マイオブレースでは、取り外し式装置による歯列への作用と、口腔筋機能への働きかけを組み合わせます。
拡大装置の役割
拡大装置は、歯列や上顎の横幅に問題がある場合に使用を検討する装置です。
装置の種類や患者さんの成長段階によって、歯の傾斜による拡大と骨格的な拡大の割合は異なります。
マイオブレースと拡大装置は、必ずセットで使用するものではありません。
ありが歯科でも、症例によっては両者を併用しますが、すべてのお子さんに拡大装置が必要というわけではありません。
また、歯列を拡大すれば必ず抜歯を避けられるということでもありません。
マイオブレースの装着時間と治療期間
マイオブレースは取り外し式のため、患者さん自身が適切に使用することが重要です。
一般的には、日中の一定時間と就寝中の装着を基本とするプログラムがあります。
ただし、具体的な装着時間は使用する装置や治療計画によって異なるため、担当歯科医師の指示に従ってください。
また、舌の位置や口唇の使い方などを練習するトレーニングを行うことがあります。
治療期間は、歯列の状態、成長段階、装置の使用状況などによって異なります。
数か月で変化がみられる場合もありますが、治療全体には年単位の管理が必要になることもあります。
マイオブレースのメリット・デメリット
メリット
- 取り外しができる
- 食事や歯磨きの際に外せる
- 口腔機能にも着目できる
- 成長期の歯列や咬合の問題に早期から対応できる場合がある
デメリット
- 装着時間を守らないと十分な効果が得られにくい
- 子ども本人と保護者の協力が必要
- すべての不正咬合に対応できるわけではない
- 歯の移動を精密にコントロールするには限界がある
- 症例によっては他の装置や追加の矯正治療が必要
また、装置による違和感、唾液の増加、軽度の痛みなどが生じる場合もあります。
マイオブレースは本当に効果がある?論文から考える
マイオブレースの効果については、複数の臨床研究が報告されています。
2024年に発表されたシステマティックレビューでは、II級不正咬合の小児に対するマイオブレースとツインブロック装置を比較しています。
その結果、両者ともオーバージェットの改善が報告されましたが、ツインブロックの方が大きな治療効果を示す傾向がありました。
また、既製型筋機能装置を対象とした2025年のシステマティックレビュー・メタ解析では、過蓋咬合におけるオーバーバイトの減少との関連が示された一方、垂直的な骨格パターンには明確な変化が認められませんでした。
これらの研究から、マイオブレースを含む筋機能装置には一定の歯列・咬合改善が期待できるものの、骨格的な改善効果や長期的な安定性については、さらに質の高い研究が必要と考えられます。
また、成長期の治療では自然成長による変化もあるため、治療前後の変化がすべて装置によるものとは限りません。
ホーチミンで子どもの歯並びが気になる方へ
子どもの歯並びは、見た目だけでなく、噛み合わせ、顎の成長、口腔習癖などを含めて評価することが大切です。
ホーチミン旧1区のありが歯科では、日本人歯科医師が子どもの歯列や咬合の状態を確認し、マイオブレースを用いた小児矯正を行っています。
必要に応じて顎の拡大装置を併用することもあります。
一方、すぐに矯正を始める必要がない場合には、成長や歯の生え替わりを観察することも重要な選択肢です。
治療方法は、年齢だけでなく、歯並びの状態やお子さんの協力度などを考慮して検討します。
「前歯がガタガタしている」「受け口が気になる」「いつも口が開いている」といったお悩みがあれば、一度ご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. マイオブレースは何歳から始められますか?
使用する装置や歯列の状態によって異なります。混合歯列期に検討されることが多いですが、年齢だけで適応を決めることはできません。
Q2. マイオブレースだけで歯並びはきれいになりますか?
軽度の歯列不正などでは改善が期待できる場合がありますが、すべての症例で十分な歯列改善が得られるわけではありません。追加の矯正治療が必要になることもあります。
Q3. マイオブレースは痛いですか?
装着初期に違和感や軽い痛みを感じることがあります。強い痛みや粘膜の傷が生じた場合は、無理に使用を続けず歯科医師に相談してください。
Q4. マイオブレースで顎は広がりますか?
歯列幅の変化がみられる場合はありますが、マイオブレースだけで十分な骨格的拡大が得られるとは限りません。必要に応じて拡大装置の併用を検討します。
Q5. マイオブレースとインビザライン・ファーストはどちらがいいですか?
両者は装置の仕組みや治療目標が異なります。歯の移動を個別に計画する必要がある場合には、インビザライン・ファーストなどが適することがあります。歯列や咬合の状態によって判断します。
Q6. マイオブレースを使えば将来の矯正治療は不要になりますか?
必ずしもそうではありません。成長後に歯並びや噛み合わせを整えるため、追加の矯正治療が必要になる場合があります。
まとめ|子どもの歯並びは早めの確認が大切
マイオブレースは、取り外し式装置と口腔筋機能トレーニングを組み合わせた小児矯正の方法です。
軽度の歯列不正や口腔機能の問題に対して選択肢となる場合がありますが、すべての症例に適しているわけではありません。
歯列の幅が狭い場合には、拡大装置を併用することもあります。
大切なのは、マイオブレースという装置を使うこと自体ではなく、お子さんの歯並びや顎の成長に合った治療方法を選ぶことです。
ホーチミンで子どもの歯並びや小児矯正についてお悩みの方は、ありが歯科へご相談ください。
参考文献
- Rusli RO, et al. Myobrace versus twin block in the treatment of class II malocclusion in Children: A systematic review. Saudi Dental Journal. 2024;36(5):661–664. DOI: 10.1016/j.sdentj.2024.03.006
- Cirio S, et al. Effectiveness of prefabricated myofunctional appliances on Vertical Dimension in Children: A Systematic Review and Meta-Analysis. European Journal of Paediatric Dentistry. DOI: 10.23804/ejpd.2025.2469
- American Association of Orthodontists. Your Child’s First Orthodontic Check-Up.
執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉
日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。
日本語対応で安心してご相談いただけます。
関連記事
ホーチミンで歯科治療をご希望の方へ
→ ありが歯科へのお問い合わせ・予約はこちら 090-418-6480



