「歯石取りをしたのに、歯磨きのたびに血が出る」
「クリーニングを受けたのに歯茎の腫れが治らない」
「歯石を取れば歯周病は治ると思っていた」
このような疑問をお持ちではありませんか?
歯石取りの後も歯茎から出血が続く場合、歯肉炎や歯周病による炎症が残っている可能性があります。
ただし、歯石取り直後の一時的な出血と、歯周病が改善していないことによる出血は区別する必要があります。
この記事では、ホーチミンで歯石取りや歯のクリーニングを受けた方に向けて、出血が続く原因、再受診の目安、必要な検査と治療について、日本人歯科医師が解説します。

歯石取りをしたのに出血が続くのはなぜ?
歯石取り後の出血には、大きく分けて2つの状況があります。
1つ目は、歯石取りによる一時的な出血です。
歯石が付着して歯茎に炎症がある場合、器具による刺激で出血することがあります。歯石取りの後に軽い出血や違和感が生じても、徐々に落ち着く場合があります。
2つ目は、歯茎の炎症が残っている場合です。
歯石を除去しても、歯周ポケット内の細菌性プラークや炎症が十分に改善していなければ、歯磨きやフロスで出血が続くことがあります。
特に、歯周病が進行している場合は、歯石取りだけで治療が完了するとは限りません。
歯石取り後の出血はいつまで続く?
出血の程度や回復には個人差がありますが、次のように考えるとわかりやすいでしょう。
| 出血の状態 | 考えられる状況 | 対応 |
|---|---|---|
| 当日、少量の血がにじむ | 処置による一時的な刺激 | 経過を確認 |
| 翌日以降、少しずつ減っている | 歯茎が回復している可能性 | 優しく清掃を継続 |
| 数日たっても出血が減らない | 炎症の残存など | 歯科医院に相談 |
| 1週間程度たっても毎回出血する | 歯肉炎・歯周病などの可能性 | 再診をおすすめ |
| 出血量が多い、止まりにくい | 局所の問題や全身的要因など | 早急に相談・受診 |
※上記は受診を判断するための目安であり、決まった日数で正常・異常を判定できるわけではありません。
歯周ポケット内まで清掃する歯周病治療では、歯茎の治癒に時間がかかることもあります。
大切なのは、出血が日ごとに減っているか、それとも同じ状態が続いているかです。
歯石取り後も血が出る5つの原因
1. 歯周ポケットの中に炎症が残っている
歯周病では、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなり、内部に細菌性プラークや歯石が蓄積することがあります。
歯茎の表面に見える歯石を除去しても、深い歯周ポケット内の炎症が残っていれば出血が続く場合があります。
そのため、歯周病が疑われる場合には、歯周ポケットの深さや出血の有無を確認する検査が重要です。
2. 歯と歯の間にプラークが残っている
歯石を取った後も、毎日の歯磨きでプラークを除去できなければ、歯茎の炎症は続きます。
特に歯と歯の間は、歯ブラシだけでは清掃しにくい部分です。
フロスや歯間ブラシを適切に使用することが、炎症の改善に役立ちます。
3. 歯磨きやフロスの刺激が強すぎる
硬い歯ブラシで強く磨いたり、フロスを勢いよく歯茎に押し込んだりすると、歯茎を傷つける場合があります。
この場合、出血が必ずしも歯周病によるものとは限りません。
ただし、歯磨きのたびに血が出る場合は、磨き方だけの問題と決めつけず、歯茎の炎症も確認する必要があります。
4. 歯周病が進行している
歯周病が進行すると、歯茎だけでなく、歯を支える歯槽骨や歯周組織にも影響が及びます。
この段階では、歯石取りだけでなく、歯周ポケット内の清掃や治療後の再評価が必要になる場合があります。
歯周病は強い痛みがないまま進行することもあるため、出血だけを軽く考えないことが大切です。
5. 全身状態や薬の影響
歯茎からの出血には、歯周病以外の要因が関係する場合もあります。
例えば、血液を固まりにくくする薬の服用、糖尿病による歯周組織への影響、妊娠に伴うホルモンの変化などです。
まれに、血液の病気などが関係する場合もあります。
歯茎以外にも出血しやすい、あざが増えた、出血が止まりにくい場合は、医科での評価も必要です。
服用中の薬がある場合は、自己判断で中止せず、歯科医師に伝えてください。
歯石取りだけで歯周病は治る?
ここは患者さんに知っていただきたい重要なポイントです。
歯石取りは歯周病治療の重要な一部ですが、歯周病の進行度によって必要な治療は異なります。
歯肉炎の場合
炎症が歯茎に限られ、歯を支える組織の破壊がない歯肉炎では、歯石やプラークの除去と適切なセルフケアによって改善が期待できます。
歯周炎の場合
歯周炎では、歯周組織の破壊や歯周ポケットの形成が認められます。
この場合、歯茎の表面だけでなく、必要に応じて歯周ポケット内の細菌性プラークや歯石を除去する治療を行います。
治療後には再評価を行い、改善が不十分な部位について追加治療を検討します。
欧州歯周病学会(EFP)の診療ガイドラインでも、歯周病治療では歯周ポケット内の清掃と治療後の再評価が重要とされています。
歯茎からの出血が続く場合、どんな検査が必要?
出血が続く場合は、単にもう一度歯石を取るのではなく、原因を確認することが重要です。
歯周ポケット検査
歯と歯茎の間の深さを測定し、歯周病の状態を調べます。
一般的には、歯周ポケットが深いほど注意が必要ですが、深さだけで重症度を決めることはできません。
プロービング時の出血(BOP)
歯周ポケットを測定する際に出血があるかを確認します。
BOPは歯周組織の炎症を評価する重要な指標です。
ただし、出血の有無だけで歯周病の進行や治療の必要性をすべて判断できるわけではありません。
レントゲン検査
歯を支える骨の状態を確認します。
歯周病が進行している場合、歯槽骨の吸収が認められることがあります。
歯周ポケット検査などと組み合わせて、総合的に判断します。
歯石取り後も出血する場合、追加治療は必要?
追加治療が必要かどうかは、歯周ポケットの状態、出血の程度、歯槽骨の状態、セルフケアの状況などによって判断します。
例えば、次のような対応が考えられます。
| 状態 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 軽度の歯肉炎 | 清掃方法の改善、経過確認 |
| 歯周ポケット内に歯石が残る | 必要に応じた歯肉縁下の清掃 |
| 治療後も深いポケットが残る | 再評価後に追加治療を検討 |
| 歯周病が進行している | 病状に応じた歯周病治療 |
| 薬や全身疾患が関係する | 医科との連携を検討 |
歯周病治療では、歯石を除去した直後だけでなく、治療後に歯茎の炎症が改善しているかを確認することが大切です。
歯石取り後に出血するときのセルフケア
歯磨きをやめない
出血するからといって歯磨きを中止すると、プラークが蓄積し、炎症が改善しにくくなる場合があります。
ただし、処置当日は歯科医院から受けた指示を優先してください。
フロスや歯間ブラシを適切に使う
歯と歯の間のプラーク除去には、フロスや歯間ブラシが役立ちます。
歯間ブラシは隙間に合ったサイズを選び、無理に押し込まないようにします。
出血が続く場合は、使い方を歯科医院で確認するとよいでしょう。
強い刺激を避ける
歯石取り直後に歯茎が敏感になっている場合は、強いブラッシングなどを避けましょう。
また、喫煙は歯周組織の健康や治癒に悪影響を及ぼすため、禁煙も重要です。
出血が続く場合は再受診する
セルフケアを続けても出血が改善しない場合は、歯周病の検査を受けることをおすすめします。
特に、歯茎の腫れ、膿、強い痛み、歯のぐらつきがある場合は早めに受診してください。
ホーチミンで歯石取り・歯周病治療をお考えの方へ
ホーチミン旧1区のありが歯科では、日本人歯科医師による診察のもと、歯のクリーニング、歯石取り、歯周病に関するご相談に対応しています。
ありが歯科では、歯のクリーニング・歯石取りの際に歯科検診を行っており、検診料は無料で含まれております。
歯石取りを受けても出血が続く場合は、歯周病が関係しているのか、ブラッシングによる刺激なのか、追加の検査や治療が必要なのかを確認することが大切です。
「ホーチミンで歯石取りをしたけれど、まだ血が出る」
「歯周病が進行していないか心配」
「日本語で歯茎の状態について相談したい」
そのような方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 歯石取りの翌日に血が出るのは普通ですか?
処置による刺激や歯茎の炎症によって、翌日に少量の出血が見られることはあります。ただし、出血量が多い場合や止まらない場合は、歯科医院に連絡してください。
Q2. 歯石を取ったのに毎日出血するのは歯周病ですか?
歯肉炎や歯周病の可能性がありますが、歯磨きによる刺激や薬の影響なども考えられます。歯周ポケット検査などで原因を確認する必要があります。
Q3. 出血していてもフロスを使って大丈夫ですか?
通常は、適切な方法で歯間清掃を続けることが大切です。ただし、処置直後で特別な指示を受けている場合や、出血が多い場合は歯科医師の指示に従ってください。
Q4. 歯石取りを何回も受ければ歯周病は治りますか?
回数だけで治るわけではありません。歯周病の進行度に応じた治療、毎日のプラークコントロール、治療後の再評価が重要です。
Q5. 歯茎から血が出なくなれば歯周病は治っていますか?
出血が減ることは炎症改善の目安の一つですが、それだけで歯周病が治ったとは判断できません。歯周ポケットの深さや歯を支える組織の状態も確認する必要があります。
まとめ|歯石取り後も出血が続くなら、歯周病の検査を
歯石取り後に少量の出血が生じることはありますが、歯磨きのたびに出血が続く場合は、歯茎の炎症が残っている可能性があります。
特に、歯周病が進行している場合は、歯石取りだけでなく、歯周ポケット内の清掃や追加治療が必要になることがあります。
大切なのは、出血を止めることだけでなく、出血の原因を確認し、歯周組織の健康を回復・維持することです。
ホーチミンで歯石取り後の出血が気になる方は、歯周病の検査を受け、現在の歯茎の状態を確認しましょう。
参考文献・資料
- Sanz M, et al. Treatment of stage I–III periodontitis—The EFP S3 level clinical practice guideline. Journal of Clinical Periodontology. 2020;47(Suppl 22):4–60.
https://doi.org/10.1111/jcpe.13290 - American Dental Association. Scaling and Root Planing for Gum Disease.
https://www.mouthhealthy.org/all-topics-a-z/scaling-and-root-planing/ - American Dental Association. Bleeding Gums.
https://www.mouthhealthy.org/all-topics-a-z/bleeding-gums - American Dental Association. Periodontitis.
https://www.ada.org/resources/ada-library/oral-health-topics/periodontitis - NHS. Gum disease.
https://www.nhs.uk/conditions/gum-disease/
執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉
日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。
日本語対応で安心してご相談いただけます



