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横向きに埋まった親知らず(水平埋伏智歯)は、歯茎を開き、必要に応じて周囲の骨を一部削り、歯を分割して抜歯します。 通常の親知らずより複雑な処置になる場合がありますが、すべての症例で骨を削ったり、歯を分割したりするわけではありません。

また、横向きの親知らずは、親知らず自体だけでなく、手前の第二大臼歯(7番)の虫歯や歯周病の原因となることがあります。

ただし、横向きに埋まっているからといって、必ず抜歯が必要なわけではありません。

この記事では、ベトナム・ホーチミンのありが歯科が、水平埋伏智歯の抜歯方法、痛みや腫れの経過、手前の歯への影響、神経損傷のリスク、抜歯を検討する目安を解説します。


1.水平埋伏智歯とは?横向きに埋まった親知らずのこと

親知らずは、前から数えて8番目にある第三大臼歯です。

通常、永久歯の中では最後に生えてくる歯ですが、顎の大きさや生える方向などによって、正常な位置まで出てこないことがあります。

その中でも、親知らずがほぼ横向きに位置し、歯茎や顎の骨の中に埋まっている状態を水平埋伏智歯と呼びます。

特に下顎の親知らずで見られる状態です。

横向きの親知らずで起こり得る問題

  • 親知らずの周囲に汚れがたまる
  • 歯茎が腫れる(智歯周囲炎)
  • 手前の第二大臼歯に虫歯ができる
  • 第二大臼歯の後ろ側に歯周病が生じる
  • 隣の歯の歯根が吸収される
  • まれに嚢胞などの病変が生じる

これらの問題が必ず起こるわけではありませんが、定期的な確認が必要です。


2.水平埋伏智歯はどうやって抜く?抜歯の流れ

「横向きなのに、どうやって歯を引き抜くの?」

患者さんが最も疑問に思う部分です。

水平埋伏智歯は、歯全体をそのまま引き抜こうとすると、手前の歯や周囲の骨に無理な力がかかる場合があります。

そのため、必要に応じて歯を分割し、取り出しやすくします。

STEP 1.レントゲン検査と術前診断

最初に、親知らずの位置、歯根の形、骨への埋まり方、手前の歯との関係を確認します。

特に下顎の親知らずでは、下顎管を通る下歯槽神経との位置関係が重要です。

通常はパノラマレントゲンなどで評価し、二次元画像だけでは重要な位置関係を十分に判断できない場合に、CT(CBCT)を検討します。

すべての水平埋伏智歯にCTが必要というわけではありません。

STEP 2.局所麻酔

抜歯する部分に局所麻酔を行います。

下顎では、必要に応じて下顎孔伝達麻酔などを用います。

麻酔が十分に効いていれば、手術中の鋭い痛みは通常抑えられます。

ただし、歯を動かすときの圧迫感や振動を感じることはあります。

手術中に痛みを感じた場合は、我慢せず歯科医師に伝えてください。

STEP 3.歯茎を切開する

親知らずが歯茎に覆われている場合、歯の位置に合わせて歯茎を切開し、必要な範囲で剥離します。

これによって、親知らずや周囲の骨を確認できるようにします。

切開の範囲は、埋伏の深さや位置によって異なります。

STEP 4.必要に応じて骨を削る

親知らずが骨の中に埋まっている場合、歯を取り出すためのスペースを確保します。

その際、歯の周囲の骨を一部削ることがあります。

骨を削る量は必要最小限となるよう計画しますが、症例によって異なります。

STEP 5.歯を分割して取り出す

水平埋伏智歯の抜歯で特徴的なのが、歯の分割です。

例えば、親知らずの頭の部分(歯冠)が手前の第二大臼歯に引っかかっている場合、歯冠と歯根を分けることで、周囲に無理な力をかけずに取り出せる場合があります。

歯根が複雑な形をしている場合は、さらに分割することもあります。

ただし、すべての症例で歯を分割するわけではありません。

STEP 6.洗浄・確認・縫合

親知らずを取り出した後、抜歯部位を洗浄し、必要な確認を行います。

切開した歯茎は、必要に応じて縫合します。

その後、ガーゼを噛んで止血を確認します。

抜歯方法のまとめ

処置目的
レントゲン・必要時CT歯の位置と神経などの確認
局所麻酔手術中の痛みを抑える
歯茎の切開埋まった歯へのアクセスを確保
骨の削除歯を取り出すスペースを作る
歯の分割無理な力を避けて取り出しやすくする
洗浄・縫合抜歯部位の処置と保護

3.横向きの親知らずは、手前の歯を虫歯にする?

はい。水平埋伏智歯は、手前の第二大臼歯に虫歯が生じるリスクと関係する場合があります。

特に、親知らずの一部が口の中に露出し、第二大臼歯との間に汚れがたまりやすい状態では注意が必要です。

なぜ手前の歯に虫歯ができるのか?

横向きの親知らずが第二大臼歯の後ろ側に接していると、歯ブラシが届きにくい部分ができます。

その間に食べかすが詰まることが多くなり、プラークが停滞すると、第二大臼歯の遠心面に虫歯が発生する場合があります。

この虫歯は、患者さん自身では見えにくい位置にあることが特徴です。

そのため、痛みが出るまで気づかないこともあります。

第二大臼歯に虫歯ができるとどうなる?

虫歯が浅い段階なら、修復治療で対応できる場合があります。

しかし、虫歯が深く進行すると、神経の治療が必要になったり、歯の保存が難しくなったりすることがあります。

親知らずを守るために、手前の大切な第二大臼歯を失うことは避けたいところです。

ただし、完全に骨の中に埋まっている親知らずが、必ず第二大臼歯の虫歯を引き起こすわけではありません。

虫歯の有無や親知らずとの位置関係は、診察と画像検査で確認する必要があります。


4.虫歯だけではない!手前の第二大臼歯への3つの影響

横向きの親知らずで注意したいのは、虫歯だけではありません。

起こり得る問題どのような状態か
遠心面の虫歯第二大臼歯の後ろ側に虫歯ができる
歯周組織の障害第二大臼歯の後方に深い歯周ポケットや骨吸収が生じる
歯根吸収親知らずとの接触部付近で第二大臼歯の歯根が吸収されることがある

歯根吸収は頻繁に起こるとは限りませんが、進行すると第二大臼歯の保存に影響する場合があります。

そのため、親知らずだけでなく、手前の歯の状態を確認することが重要です。


5.水平埋伏智歯の抜歯後、痛みや腫れは何日続く?

水平埋伏智歯の抜歯後には、痛み、腫れ、口の開けにくさなどが起こる場合があります。

特に、切開や骨の削除を伴う手術では、通常の抜歯より術後の症状が強くなることがあります。

一般的な回復の目安

時期起こり得る症状
抜歯当日麻酔が切れた後の痛み、少量の出血
翌日〜3日頃痛みや腫れが目立つ場合がある
3〜5日頃多くの方で腫れが徐々に落ち着き始める
1週間頃痛みや口の開けにくさが改善してくることが多い
1〜2週間日常生活上の症状がかなり落ち着くことが多い

※一般的な目安です。埋伏の深さ、手術の難易度、体調などによって回復には個人差があります。

抜歯後の痛みが強い場合

処方された鎮痛薬を指示どおりに使用してください。

通常の術後経過では、時間の経過とともに痛みは軽くなっていきます。

しかし、数日後から痛みが強くなる、痛みが改善しない、強い口臭を伴う場合は、ドライソケットや感染などを確認する必要があります。


6.ドライソケットとは?抜歯後に強い痛みが続く原因

ドライソケット(抜歯窩治癒不全の一種)は、抜歯した穴を保護する血餅が失われるなどして、骨が露出し、強い痛みが生じる状態です。

一般的には、抜歯後数日してから強い痛みが現れることがあります。

ドライソケットが疑われる症状

  • 抜歯から数日後に痛みが強くなる
  • 鎮痛薬を飲んでも痛みが十分に抑えられない
  • 耳やこめかみ付近まで痛みが広がる
  • 抜歯した部分に強い違和感がある

このような場合は、早めに歯科医院へ連絡してください。

自己判断で抜歯した穴を触ったり、強く洗浄したりすることは避けましょう。

親知らずの抜歯後に激痛!ドライソケットとは?


7.水平埋伏智歯の抜歯で神経が傷つくことはある?

下顎の親知らずでは、歯根の近くを下歯槽神経が通っていることがあります。

この神経は、下唇や顎先などの感覚に関係しています。

親知らずと神経が近接している場合、抜歯によって一時的または、まれに長期的な感覚の異常が生じる可能性があります。

また、舌の感覚に関係する舌神経への影響も、手術のリスクとして考慮します。

神経に近い親知らずはどうする?

まず画像検査で位置関係を確認します。

必要に応じてCTを検討し、抜歯の必要性と神経損傷のリスクを比較します。

症例によっては、歯冠だけを除去して歯根を残す**歯冠切除術(コロネクトミー)**が選択肢になることもあります。

ただし、すべての症例に適用できる方法ではなく、術後の経過観察も必要です。

神経に近い場合は、口腔外科の専門的な評価や紹介を検討することがあります。


8.横向きの親知らずは必ず抜いた方がいい?

いいえ。水平埋伏智歯でも、必ず抜歯するとは限りません。

判断には、症状の有無だけでなく、虫歯、歯周病、第二大臼歯への影響、嚢胞の有無、神経との位置関係などを考慮します。

抜歯を検討する主なケース

  • 親知らずの周囲で炎症を繰り返す
  • 親知らずに治療困難な虫歯がある
  • 手前の第二大臼歯に虫歯や歯周病が生じている
  • 第二大臼歯の歯根吸収が認められる
  • 嚢胞などの病変が認められる
  • 今後の治療に支障がある

一方、症状や病変がなく、将来的なリスクも低いと判断される場合は、定期的な経過観察が選択肢になります。

英国NICEのガイダンスでは、病変のない埋伏智歯を一律に予防抜歯することは推奨していません。

一方、米国口腔顎顔面外科学会(AAOMS)は、現在の病変だけでなく将来の発症リスクも含めて評価する立場です。

いずれも、すべての横向きの親知らずを機械的に抜くという考え方ではありません。


9.抜歯後に気をつけたいこと

水平埋伏智歯の抜歯後は、血餅を保護し、出血や腫れを悪化させないことが大切です。

抜歯当日に注意すること

  • 強いうがいを避ける
  • 抜歯した穴を指や舌で触らない
  • 喫煙を避ける
  • 飲酒を避ける
  • 激しい運動を控える
  • 熱い飲食物を避ける
  • 処方薬は指示どおりに使用する

食事は、麻酔が切れてから、やわらかく食べやすいものを選びましょう。

抜歯後の歯磨きや洗口方法は、手術内容に応じた歯科医師の指示に従ってください。

早急な連絡・受診が必要な症状

次のような場合は、通常の術後経過と決めつけないでください。

  • 圧迫しても出血が止まらない
  • 痛みや腫れが急激に悪化する
  • 発熱や膿が出るなど、感染が疑われる
  • 下唇・顎先・舌のしびれが続く
  • 口がほとんど開かない

呼吸しにくい、飲み込みにくい、口底や首まで腫れが広がる場合は、緊急の医療機関を受診してください。


10.ホーチミンで水平埋伏智歯の抜歯を検討している方へ

ベトナム・ホーチミンで生活している日本人の方にとって、親知らずの抜歯では、治療内容に加えて術後の生活も重要です。

特に、仕事や出張、一時帰国などの予定がある場合、抜歯後の腫れや痛みを考慮する必要があります。

抜歯前に確認しておきたいこと

  • 親知らずの位置と抜歯の難易度
  • 手前の第二大臼歯への影響
  • 神経との位置関係
  • 術後の痛み・腫れの見込み
  • 抜糸や経過観察の必要性
  • 出張・飛行機移動などの予定

難しい症例では、専門的な口腔外科診療が必要になることもあります。

まずは、画像検査を含めた適切な診断を受けることが大切です。

ホーチミンで水平埋伏智歯の抜歯をご希望の方へ

ありが歯科では、横向きに埋まった親知らず(水平埋伏智歯)の抜歯を行っています。

抜歯前にはレントゲン検査などで親知らずの位置や埋伏の状態、手前の第二大臼歯への影響を確認します。必要に応じてCTによる評価を行い、下顎の神経との位置関係も考慮します。

水平埋伏智歯では、歯茎の切開、周囲の骨の削除、歯の分割などが必要になる場合があります。

また、親知らずの抜歯後には痛みや腫れが生じることがあるため、術後の注意点についても日本語でご説明します。

ホーチミンで親知らずの痛みや腫れにお悩みの方、横向きの親知らずを指摘された方は、ありが歯科へご相談ください。

※抜歯の適応や方法は診察・画像検査の結果によって判断します。神経との位置関係などにより、専門医療機関への紹介が必要になる場合もあります。


11.水平埋伏智歯についてよくある質問(FAQ)

Q1.横向きの親知らずは歯茎を切らないと抜けませんか?

歯茎や骨に埋まっている場合は、切開が必要になることが多いです。ただし、埋伏の状態によって方法は異なります。

Q2.親知らずを抜くときに骨を削るのは危険ですか?

必要に応じて骨を一部削ることは、埋伏智歯の抜歯で行われる一般的な処置です。ただし、出血、腫れ、神経への影響などのリスクがあるため、術前評価が重要です。

Q3.歯を割って抜くと痛いですか?

局所麻酔が十分に効いていれば、通常、鋭い痛みは抑えられます。圧迫感や振動を感じることはあります。

Q4.水平埋伏智歯の抜歯後は何日休めばいいですか?

個人差がありますが、腫れや痛みが目立ちやすい術後数日間は、無理のない予定にすることをおすすめします。手術の難易度や仕事内容によって必要な休養期間は異なります。

Q5.親知らずが原因で手前の歯が虫歯になることはありますか?

あります。特に、第二大臼歯との間にプラークがたまりやすい場合は注意が必要です。ただし、すべての水平埋伏智歯が虫歯の原因になるわけではありません。

Q6.痛みがない親知らずでも抜歯が必要ですか?

痛みがなくても、手前の歯の虫歯や歯根吸収などが認められる場合は抜歯を検討します。一方、病変がなくリスクが低い場合は経過観察も選択肢です。

Q7.下顎の神経に近い親知らずは抜けませんか?

必ずしも抜けないわけではありません。画像検査で位置関係を評価し、抜歯の方法や必要性を慎重に判断します。専門医への紹介や歯冠切除術が検討される場合もあります。

Q8.抜歯後の腫れはいつまで続きますか?

一般に術後数日間は腫れが目立つ場合があり、その後徐々に落ち着きます。1〜2週間程度かけて回復することもあります。


まとめ|横向きの親知らずは「抜き方」と「手前の歯への影響」が重要

水平埋伏智歯の抜歯では、必要に応じて歯茎を切開し、骨を一部削り、歯を分割して取り出します。

術後には痛みや腫れが生じることがありますが、多くの場合、時間の経過とともに改善します。

一方で、横向きの親知らずを放置すると、手前の第二大臼歯に虫歯や歯周組織の障害が生じる場合があります。

ただし、すべての水平埋伏智歯を抜歯する必要があるわけではありません。

親知らずそのものだけでなく、手前の歯の状態と神経との位置関係を確認し、抜歯の利益とリスクを比較することが大切です。

ホーチミンで親知らずが気になる方は、まずありが歯科で現在の状態を確認いたします。


参考文献

  1. NICE. Guidance on the Extraction of Wisdom Teeth (TA1). https://www.nice.org.uk/guidance/ta1
  2. American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons. Management of Third Molar Teeth. https://aaoms.org/wp-content/uploads/2024/03/management_third_molar_white_paper.pdf
  3. NHS. Wisdom tooth removal. https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/wisdom-tooth-removal/
  4. NHS inform. Wisdom tooth removal. https://www.nhsinform.scot/tests-and-treatments/dental-treatments/wisdom-tooth-removal
  5. SECIB Clinical Practice Guideline. Diagnosis and indications for the extraction of third molars. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11249379/

執筆・監修歯科医 ありが歯科院長 有賀智哉

日本人歯科医師として、ホーチミン旧1区にて日本品質の歯科治療を提供。
一般歯科・小児矯正・インプラント・ホワイトニングまで幅広く対応しています。

日本語対応で安心してご相談いただけます。

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